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導入事例(大学・短大編)

大学・短大向け

 

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「キリスト教精神に基づく国際人の育成」を建学の精神とし、世界を舞台に活躍できる人材の育成を目指した教育活動を展開してきた桜美林大学。開学以来、教養教育を重視し、学群制の導入により専門性を高めつつ、異なる分野を横断的に学べるのが特徴だ。英語をはじめとした外国語教育や国際交流にも力を入れており、その英語教育には定評がある。桜美林大学の英語教育ならびにCASECの活用状況について、リベラルアーツ学群准教授のマルコス・ベネビデス先生、グローバル・コミュニケーション学群准教授の熊澤雅子先生にお話を伺った。

(左) グローバル・コミュニケーション学群 准教授 熊澤雅子先生
(右) リベラルアーツ学群 准教授 マルコス・ベネビデス先生

6つの学群が特色あるプログラムを展開

 桜美林大学では、学部制時代から、学部を問わず英語教育に力を入れてきた。ベースとなるのが、大学独自のプログラムELP(EnglishLanguage Program)。多読やタスクベースの学習など“英語を使う”アクティビティを多く取り入れたプログラムで、聞く・話す・読む・書くの4技能をバランスよく習得し、実践的なコミュニケーションにつながるよう構成されているのが特徴だ。

 「近年は、6つの学群がそれぞれのニーズに合わせて英語プログラムをカスタマイズしている」とベネビデス先生は言う。例えば、ビジネスマネジメント学群では、ビジネスに特化した英語教育を行なっており、TOEIC®の対策などにも力を入れている。学群ごとに英語プログラムのコーディネーターを務める教員がおり、授業内容や教材、評価項目、評価基準などを統括している。「講師やクラスメイトが異なっても同じような体験ができ、同じ基準で成績がつくよう、クオリティと公平性を担保している。重複なく学べるので、英語学習の効率性の観点でも統一プログラムにすることは重要」と熊澤先生は説明する。

タスクベースの学習で、使える英語力へとレベルアップ

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 ベネビデス先生が所属するリベラルアーツ学群では、幅広い知識を身に付けることで総合力のある人間育成を目指しており、英語で講義が行われる必修・選択科目も多い。「自分が選んだ学問分野を学ぶためには、アカデミックな英語力が必要。“読むためのスタミナ”がつく多読を軸に、精読も実践してバランスよく力がつくよう心掛けている」とベネビデス先生。2021年度からは新カリキュラムがスタートし、「文系・理系の基礎研究、アカデミック・ライティング、アカデミック・プレゼンテーションのための英語教育により重点を置くようになった」と言う。

 一方、熊澤先生が所属するグローバル・コミュニケーション学群では、1セメスターの海外留学がカリキュラムに組み込まれており、2年次に英語を学ぶほぼ全学生が留学を体験する。さらに、2年次以降は英語で学ぶクラスも多く、「1年次のうちから、高度なレベルで話す・聞く力を身に付けることを目指している。ボキャブラリーについても、日常会話レベルを超えたアカデミックな語彙の習得が必要」と熊澤先生。授業外でもリスニング・スピーキングや語彙習得のデジタル教材を採用し、学習のサポートをしている。

 「日本の学校で学んできた学生の多くは、英語についても知識中心です。これをスキルに転換していく、つまり、使える英語力へとレベルアップしていくことを指導の軸にしています。具体的には、英語を使ってプレゼンテーションをする、ディスカッションをするなど、“ある目的を英語を使って達成する”というタスクベースの授業を実践しています」(熊澤先生)

 「タスクベースの英語学習においては、目的を達成する、相手に正しく伝えることが大切で、文法はそのためのツールの一部という扱いです。とにかく使うことで、英語のスキルも英語を使うマインドもブラッシュアップされていきます」(ベネビデス先生)

新入生のプレイスメントテストとしてCASECを活用

 桜美林大学では、2009年にCASECを導入して以来、主に新入生の英語クラスのプレイスメントテストとして活用してきた。コロナ禍前は、グローバル・コミュニケーション学群の新入生は大学で、それ以外の学群の新入生は自宅で、入学前にCASECを受験。その結果をもとに、レベル別に3〜4(学群による)のクラスに分けてきた。CASECのメリットについて、ベネビデス先生と熊澤先生は次のように語る。

 「長い時間をかけることなく、英語力が正しく測れるのがCASECの一番のメリットです。プレイスメントテストの目的は、1,000人ほどいるリベラルアーツ学群の新入生を大まかに分けることであり、時間をかけて一人一人の英語力を緻密に測る必要はありません。学生への負担が少なくコスト的にもリーズナブルで、TOEIC®などとの相関も明確なので、学生にとっても私たち教員にとっても使いやすく分かりやすいテストだと感じています」(ベネビデス先生)

 「CASECは、日本の中学・高校で勉強してきて本学に入ってくる学生の英語力を測るのに適していると感じます。他の英語テストだと、学生には不慣れなビジネス用語が出てきたりして、私たちが見たい力が見えないことがあるんです。テストが終わってすぐにスコアが見られるのも実用的でいいですね」(熊澤先生)

新入生のプレイスメントテストとしてCASECを活用

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 リベラルアーツ学群では、CASECを1年終了時のアチーブメントテストとしても活用し、入学時のスコアと比較して各自の伸びを確認している。リベラルアーツ学群の場合は、全学生に共通した到達目標やクリアすべきラインはなく、「それぞれが、以前に比べてどれだけ伸びたか、というのが大事。CASECはその指標になる」とベネビデス先生。「レベルアップすれば履修できる授業(英語で行われる授業)の幅が広がるというインセンティブはある。一方で良い点を取るだけがすべてではなく、英語をエンジョイしたい学生はそれでもいい」と話す。

 また、リベラルアーツ学群では、1セメスターの海外留学プログラム(希望者のみ)があり、留学した学生は帰国後にCASECを受験する。入学時、1年終了時と比較することで、留学したことでどれだけ英語力が付いたのかが分かり、学生にとってはもとより、大学にとっても留学プログラムの効果測定の指標となっている。

 さらに、桜美林大学では、英語圏以外の国や地域から来る留学生にもCASECの受験を推奨している。「英語で行われる授業を履修したい、日本語に加えて英語も学びたいという留学生も多い」と熊澤先生。なお、コロナ禍で留学生の受け入れは一時休止していたが、今春からは徐々に増えており、近いうちに桜美林大学らしい国際色豊かなキャンパスに蘇ることが期待できそうだ。

一部学群ではアチーブメントテストとしてもCASECを活用

 2020年春、新型コロナウイルス感染拡大により緊急事態宣言が出されたことを機に、AIを活用したオンライン試験監督システム「CASECプロクタリング」(※1)も採用した。Webカメラで録画した受験者の映像をAIと人がチェックし、替え玉受験やカンニングといった不正行為を防止・検知できるシステムだ。ベネビデス先生は、次のように語る。

 「いつでもどこでも受験できるというのがCASECの魅力です。システムが優れているため不具合やトラブルはほとんどなかったのですが、その一方で、きちんとした監督環境がないまま自宅受験をしてもらっていたので、残念ながら不正がゼロではありませんでした。CASECプロクタリングにより不正を防止・検知できるようになったことで、スコアの信頼性がより担保されました。また、この機能が追加されてもCASECのシステムやオペレーションには特に変更点はなかったので、コロナ禍の中でも混乱なくプレイスメントテストを実施することができました。アチーブメントテストを実施する場所や時期についてもより柔軟に対応できるようになり、どこでも受験ができるというCASECのメリットを改めて実感しました」(ベネビデス先生)

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CASECプロクタリングでスコアの信頼性が高まる

 また、CASECプロクタリングの採用により、グローバル・コミュニケーション学群の新入生の自宅受験も可能になった。その理由について熊澤先生はこう語る。

 「グローバル・コミュニケーション学群の場合は、英語力が一定のラインをクリアしないと卒業できないので、入学時よりは伸びました、では済みません。英語力を伸ばすためには適切なステップを踏んでレベルアップしていくことが重要であり、CASECで不正をして自分の実力よりも上のクラスに入ってしまうと、後で苦労するのは本人なのです。そうした理由から、不正を防止する目的もあって、グローバル・コミュニケーション学群では新入生を大学に呼んでCASECを受けてもらっていました。CASECプロクタリングの採用は、コロナ禍になり学生が大学に来られなくなったタイミングでしたので、とてもありがたかったです。不正リスクを減らしてより正確に測れるというメリットは、とても大きいですね。入学前の学生を大学に呼んでテストを受けてもらう…というのは教職員にとっても負担だったので、その点でも助かりました」(熊澤先生)

 CASECプロクタリングの採用により、CASECへの信頼度、満足度がさらに高まったと語るベネビデス先生と熊澤先生。「今後も学生の英語力を速く正確に測る実用ツールとしてCASECを活用し、指導に役立てたい」と締めくくった。

※感染対策を十分に講じた上で取材・撮影しています。
※1 CASECプロクタリングの詳細は下記でご覧いただけます。
https://casec.evidus.com/proctoring/

CASEC EYE (キャセック・アイ)
2022 Summer vol.52

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