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導入事例(大学・短大編)

大学・短大向け

 

少人数教育で学生に寄り添い、個性を伸ばす。(松山東雲女子大学 人文科学部)
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人文科学部国際文化学科
佐伯三麻子教授

愛媛県の県庁所在地・松山市は、瀬戸内海の伊予灘に臨み、道後・奥道後温泉で知られる自然豊かな街。夏目漱石の『坊っちゃん』の舞台、正岡子規・高浜虚子の生地としても知られ文化の香り漂う松山市に、ミッション系の私立大学・松山東雲女子大学を訪ねました。都会のマンモス大学にはない、きめ細やかな指導を特長とする松山東雲女子大学の方針について、人文科学部国際文化学科教授の佐伯三麻子先生と小西敏雄先生にお話をうかがいました。

バランスのとれた総合的な英語力を目指す

 松山東雲学園は、一昨年に120周年を迎えた、長い歴史を持つ名門学園である。アメリカの宣教師が女子教育のための女学校を作ったのがもとになっており、四年制の松山東雲女子大学は1992年に開学した。ミッションスクールであることから、英語教育には長年力を入れており、地元では「英語と言えば松山東雲」というイメージが定着している。

 学部共通科目に設定されている英語科目はどの学科でも学べるが、国際文化学科では特に専門的・効果的に学べる科目が配置されている。松山東雲の英語教育の特長を尋ねてみると、佐伯先生からはきわめてオーソドックスな答えが返ってきた。「総合的な英語力を伸ばすことを目指しています。文法力も文章構成能力もオーラルの能力もコミュニカティブな能力も、すべて必要ですから。相手の主張を聞き取ったり読み取ったりし、意味を咀嚼し、それに対する自分の意見を構成し、発信する――これって英語に限らず、どんな分野でも必要な力ですよね」

 文法偏重教育への反省からか、近年は「コミュニケーション能力重視」の英語教育が叫ばれ、「聞く力」「話す力」「コミュニケーション」といった分野での取り組みを強調する大学が増えてきている。そんな中、あえてオーソドックスな「総合的な英語力」を挙げる佐伯先生からは、長年英語教育に取り組み、実績を上げてきた松山東雲女子大学の自信がうかがわれた。

きめ細やかな指導が可能なアドバイザー制度

 オーソドックスと言っても、融通が利かないということではない。むしろ、松山東雲女子大学では、一人ひとりの個性に合ったきめ細やかな指導を大切にしている。その理念を支えるのが、英語特化コースとアドバイザー制度だ。1年生のときから学科ごとに、学生2~3人、あるいは5~6人につき1人の教員がつき、生活、学業、将来のキャリアについて細かくアドバイスをしていく。学生たちはアドバイザーのもとで、卒業研究も進める。

 「学生によって、入学時の学力も違いますし、卒業後の進路も違います。勉強への指向性もさまざまです。たとえば国際文化学科で言えば、『英語が大好きでとにかく英語をどんどん学びたい、卒業後は外資系に就職して活躍したい』といったタイプの学生がいます。そういう前向きな学生の情熱を応援するために、海外に留学できる『海外プログラム』や『翻訳・通訳(英・日)基礎プログラム』を用意しています。その一方で、もっとじっくり型の学生もいます。『語学力をつけるだけではなく、広く人間や文化や社会構造について考えたい』という学生に対しても、深みのある勉強ができる環境を提供しています」と佐伯先生。

 先生自身も専門は言語・コミュニケーション系だが、大学では英文学、国際関係論などもしっかり学んだ。その経験からも、卒業後にどんな進路に進むにしても、広い教養や総合的な力は大切だと確信しているという。

習熟度別クラス分けや自己査定でCASECを活用

 さて、松山東雲女子大学ではCASECはどのように活用されているのだろうか? 松山東雲女子大学は、前期・後期の2期制になっており、1学年約160人の学生全員が、基本的にそれぞれの学期の初めと終わりに一度ずつCASECを受験する。学期初めのCASECの結果によって、学生は三つの習熟度別クラス(うち一つを『英語特化コース』として設定)に振り分けられる。三つのクラスは、ただ学生の習熟度が違うというだけではなく、授業で扱う内容、教材なども変えている。

 CASECの運営や受験後のデータ分析を担当する小西先生が、「クラスにやってきた学生によって、テキストも変えているんですよね?」と問うと、「ええ。でももちろん、何でもいいというわけではなくて、担当の先生から相談はしてもらいますけどね(笑)」と佐伯先生。二人のなごやかなやり取りから、大学教育として一定のレベルを保ちつつも、なるべく学生の興味を授業に取り入れていこうという姿勢がうかがわれた。

 また、英語を重視する国際文化学科の場合、英語関連の専門・資格科目18科目のうち、8科目は習熟度別になっている。CASECで一定以上の点数を取ることが履修の要件になっている科目もある。

 「留学ができる『海外プログラム』をとるためには、英検で一定の級を取得するか、CASECで一定以上の点数を取らなければならないと定めています。だから、学生たちは一生懸命勉強しますよ。それから、『翻訳・通訳(英・日)基礎プログラム』では、CASEC、TOEIC(R)テスト、英検のどれでもいいので、なるべく頻繁に受験して自己査定するように勧めています。TOEIC(R)テストは受験すると結構お金がかかるので、CASECで何度も訓練と自己査定を積み、学内で受験できるTOEIC IPと英検を受けてレベルアップを図り、卒業や就職で資格として必要になったときにTOEIC(R)テストを受けるというパターンがベストかと思っています」と佐伯先生はいう。

 また、自己の英語力の確認するために年間自由にCASECを受験できるように対応している。試験のスコアはすべて一括管理し、担当教員が指導に活用している。

マイペースな学生の個性に寄り添って

 そのかいあって、学生の英語力は確実に伸びている。過去のデータを見てみると、1年生のCASECのスコア平均点は半期で50点近く、1年間では90点以上伸びていることがわかる。入学生の質によらず、毎年同じように点数はアップしている。

 ちなみに、CASECの過去のスコアを学内イントラで一覧できるシステムを小西先生が構築した。「キャンパス内からだけアクセスできるウェブサイトで、担当教員がアクセスできるようにし、即時に学生の指導に活用できるように工夫したんです。作るのは、ほんとに大変だったんですけど」と小西先生は笑う。学生の成績が伸びている理由には、熱心な先生方やスタッフの貢献も大きいようだ。

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人文科学部国際文化学科 小西敏雄教授

 「うちの学生って、真面目で素直な子が多いんですよ」と小西先生は語る。「『自分を磨きたい』『英語ができるようになって海外に出たい』『教員になりたい』といった夢を抱いて、松山東雲を目指してきたような学生が多いんです。だから、勉強する雰囲気にあふれていますね。そして、マイペースで、他人にあまり左右されない学生が多い。CASECを受験している様子を見ていても、『できちゃった』と言って20分くらいで終えて教室を出ていく学生もいれば、その横で90分じっくりかけて取り組んでいる学生もいる」

 佐伯先生もうなずく。「そうですね。マイペースでじっくり型の子も多いですが、3年生くらいになると『自分はこんな勉強がしたい。将来こうしたい』といった主張が出てくる。それぞれの学生に、その子なりの花の咲かせ方があるんです。学生たちの個性を大切にしてそれを引き出す手伝いをするのが教員の役割だと思っています。」

 2008年度からはCASEC-GTSを導入した。学生各自のペースに合わせて、自分の知識と弱点を確認しながら学習できる環境で、実際の授業と連携させた運営を開始した。東雲の次世代が世界を飛翔し、地域社会に貢献できる日も遠くないと信じる。

CASEC EYE (キャセック・アイ)
2008 Summer vol.33

■導入事例
松山東雲女子大学 人文科学部
■スペシャル・インタビュー
平林泰三 (ラグビー・プロレフリー)
パンフレット

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