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世界各国から留学生が集まり、さまざまな留学制度を利用して毎年200名以上もの学生が海外へ飛び立つという国際色豊かな学びの環境。東京・町田市に緑豊かなキャンパスを構える桜美林大学は、創立以来「キリスト教主義に基づいた教養豊かな識見の高い国際的人材の育成」をめざしてきた。今春は、これまでの学部学科の枠にとらわれずに、より広い領域の分野を総合的に学ぶ「学群制」へと改組し、学生一人ひとりの個性や希望に合う学びをかなえる環境を整えた。世界で活躍できる優れた人材を育成する教育とはいかなるものか。同大における英語教育とCASEC の活用法をELP(English Language Program)講師のJames Sick 氏にうかがった。 |
桜美林大学 |
このたびの「学群制」導入にあたり、1年生全員の必修科目として「基盤教育プログラム」を設置しました。これは、学生一人ひとりが自分の学びの礎を築き、将来の夢を実現するために必要な技能を身につけるためのものです。つまり、語学力や表現力、コンピュータスキルといった、将来、社会で必要とされるスキルを習得するプログラムをいいます。なかでも特徴的なのが、英語集中プログラムのELPといえるでしょう。このプログラムは、学生が生き生きと英語を話せる環境を作り、英語に対する自信や積極性を身につけることをめざしています。さらに、実践的なコミュニケーションを中心とした教育により、海外留学やビジネス英語などの学生の目的に応じてレベルアップを図っていきます。
1年次の英語科目は4コース。春学期に「英語IA」「英語IB」を週2コマずつ、秋学期に「英語IIA」「英語IIB」を週2コマずつそれぞれ履修し、基礎的な英語力を身につけます。授業は英語で進められ、ネイティブ教員もしくはバイリンガルの教員が指導にあたります。自分の考えを英語で発表したり、ディスカッションしたりといった授業形式により、学生たちは英語の4技能(読む・書く・話す・聞く)を総合的に高めます。学生は入学するとまず、ELP独自のプレイスメントテストを受験します。これは個々の英語力をリスニング、ボキャブラリー、グラマーの各分野から診断するもので、試験結果により、レベル1(初級)・レベル2(中級)・レベル3(上級)の3クラスが編成されます。現状では、レベル2が60%と最も多く、次いでレベル1 が30% で、レベル3 が10% の構成となり、レベル3に属する学生の多くは何らかの海外経験を持っているようです。
1年次より英語に限らず他言語を履修することが可能です。本学では英語や中国語をはじめ、17もの外国語教育を行っており、単語や文法の習得にとどまらない、コミュニケーション能力の育成を主とする実践的な授業が行われているのです。外国語として2年次以降、英語を選択した場合は、「英語III」〜「英語VI」の科目が用意され、より高度な英語力を習得するための授業や異文化を理解するための授業が行われます。
ELPでは学習到達度の測定に、これまで「TOEIC Bridge(R)」を活用してきました。本学で標準的な英語力を持つレベル2の学生の平均スコアは130点ですが、レベル3ともなると175〜180点という最高スコアを出す学生が多く、試験の難易度からいえばレベル3の学生には易しすぎるのが実情でした。そこで、レベル3の学生の英語力に合う試験がほしいと探していたところ、CASECの存在を知りました。個人の能力に合わせて試験問題を変化させる適応型のシステムで、試験時間が40分程度と短く、コンピュータ試験であるため、試験後にその場でスコア表示されるということが、本学の求める試験形式と合致し、昨年度より導入いたしました。TOEFL(R)やTOEIC(R)との相関性が高いことも、導入の決め手となりましたね。
CASECは択一方式だけでなく、ディクテーション方式も取り入れられた試験であることが、他の試験にはない良さだと感じています。この方式があることにより、単に読解力やリスニング力だけでなく、英作文力、つまり発話力に近い能力を測り知ることができるのです。
昨年度はレベル3の学生全員が、4月と1月の年2回CASECを受験しました。学生へのアンケート調査によれば、レベル3でも少し難しいと感じた学生が42%いたことから、レベル3の学生にとって難しすぎず、易しすぎないちょうどよいレベルの試験であると判断し、今年度もレベル3の学生に受験させることにいたしました。
CASECは受験者にとっても指導者にとっても、活用しがいのある試験だと感じています。学生にとっては、やはりその場で試験結果がわかることが大きなメリットと言えるでしょう。受験直後であれば学生も試験内容もよく覚えており、試験結果から弱点を探ることができます。スコアレポートには英語コミュニケーション能力に対する3 分野(語彙力・表現力・聴解力)へのアドバイスも記載されているので、学生たちも注意深くアドバイスを読み、以後の英語学習の参考にしようとの意識が高いようです。また、TOEFL(R)やTOEIC(R)の目安点が表示されるので、留学や就職といった自身の目標に向けて、現時点での自分のおおよその実力がわかり、英語学習の動機付けに大いに役立っていると言えます。
指導者にとっては、成績の一括管理ができることが大きなメリットでしょう。年2回受験することで、1年間の学習による実力の伸長度を具体的に数値で見ることができます。また、分析データを通じて個々の学生への指導ポイントがわかるので、ELPのプログラム内容の精査にも役立っています。欲を言わせていただけば、本学のようにネイティブ教員が多い大学などで実施する際には、英語のマニュアルがあるとトラブルにも即座に対処できるので助かりますね。
「英語を学ぶ目的意識を明確にし、ELPや海外留学を通じて、語学力はもちろん国際的な視野を身につけてほしいですね」と語るELP講師の入江 恵先生 |
本学では言語の上達だけにとどまらず、視野を広めながら異文化を深く理解し、自国を客観的に見ることのできる力を持 った国際的な人材の育成をめざしています。そのため、さまざまな留学制度を用意しています。
たとえば学部学科、学群を問わず1、2年生であれば応募資格がある長期留学プログラム(JYA/SYA)は、3年次または2年次の夏に1学年間、本学と提携している米国、カナダ、英国、オーストラリア、香港、チェコの大学に留学し、留学先で修得した単位が、卒業単位として認定されるものです。ただし、留学の機会が与えられるのは、応募者の中から書類審査と面接によって合格した学生のみ。TOEFL(R)のスコア提出が必須であり、iBTで64点、CBTで180点以上であれば、授業料免除で留学することができます。
また、リベラルアーツ学群の学生には1次秋学期または2年次春学期の約1学期間にわたる語学留学プログラムがあります。こちらは、語学力を問わず、TOEFL(R)スコアも不要で、希望者全員が参加できるプログラムです。英語圏ではカナダやオーストラリアなど海外の大学の語学研修プログラムに参加し、語学を学びながら異文化体験・交流により国際感覚を磨きます。このプログラムに参加すると、1年次の英語を除く外国語科目の単位が免除されることにもなっており、できるだけ多くの学生に海外での生活や学習の体験の機会を持ってほしいというねらいがあります。
最近の学生たちは、高校でオーラルコミュニケーションの授業などを通じて、リスニングやスピーキング力はある程度ついているように感じます。その一方で、語彙が少なく、読解力や文法力が低いという傾向もみられます。英語力を上達させる近道などありません。学生たちには自身が英語を学ぶ目的を明確にし、授業はもちろん、日々の生活のなかで英語を書いたり話したりといった、使う努力を怠らずに英語力を高め、留学などを通じて異文化理解を深め、国際的な視野を持った人間として世界へ羽ばたいていってほしいと願っています。
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