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導入事例(大学・短大編)

大学・短大向け

英語はアジア語をコンセプトに語学クラスが充実 学生の幅広い英語力はCASECで詳細測定 国士舘大学

国士舘大学は昨年4月「21世紀アジア学部」を新設した。経済的・文化的にも注目されるアジアに焦点を当て、"これからの時代"を見据えた学部だ。アジア各国から留学生を数多く受け入れ、異文化交流の促進をはじめ、海外研修やインターンシップ制度を取り入れた学外教育の充実、企業家や評論家の講師への招へい、ファッションやインテリア・雑貨といった従来の学問を超えた授業を展開するなど、今までの大学教育とは一線を画す教育スタイルが魅力。この学部が目指す教育の特色やCASEC導入を決めた理由を梶原景照学部長に聞いた。

国士舘大学 梶原景照学部長

国士舘大学
梶原景照学部長

01 英語力向上にCASECや民間会社の指導力をおおいに活用

 21世紀アジア学部では、アジア地域の流行やファッション、政治変化からビジネスの最前線までを、社会文化の総合的な観点から全般的に把握する方法を学ぶ。海外協定校の多くがアジア地域である国士舘大学は、戦前からアジアに関心を持っていた。その関心を現代に適応する形に置き換えて創設されたのが同学部である。そこで、異文化理解やグローバルなコミュニケーション能力など、これからの時代に必要な力を見据え、アジア各国から積極的に留学生を受け入れている。1学年500人中、留学生120人と、その比率は高い。

 語学系の授業が充実しているのも特色の一つだ。英語以外にもアジアの各言語の授業がある。特に英語のクラスは1学年に27クラスあり、指導者の出身国もインドやフィリピン等バラエティ豊かだ。「英語はアジア語。それがコンセプトになっています。英語といえばアメリカやイギリスという考え方を変えていくためです。例えば、インドで英語を話す人の数は、イギリスの全人口に匹敵しています。ASEAN諸国では英語が共通語であり、アジアの英語人口は相当な数がありますから」と梶原学長。英語能力の向上だけでなく、総合的なコミュニケーション能力としての英語を意識しているという。英語の授業はレベル別クラス編成で、1クラス約20人の少人数制。クラスを分ける際にはCASECの試験結果を活用する。

 英語テストはいくつかあるが、その中からなぜ、CASECを選んだのか。梶原学部長は「CASECは英語能力の低い層に対しても、比較的厳密な結果が出ることが一番のポイントでした。スコア制のペーパーテストのような試験は、受験者の英語能力に係らず、誰もが同一の問題を受験します。ですから、ある程度の英語力がないと具体的な判定結果を得られず、英語能力の低い受験者の結果は、細かなところが分かりにくい。そこをカバーできるのがCASECだと判断したのです」と説明する。コンピューター適応型テスト形式のCASECは、受験者のレベルに合わせて問題が変化し、受験者に応じた能力測定ができる。

 さらに、結果が当日に出る、e-テスティングならではの利点が、授業のスムーズな運営には不可欠だった。英語だけでも1学年に27クラスあり、その他に中国語や韓国語などアジア言語の授業があるこの学部では、年間予定は、学生の英語クラスを振り分けないと決めることができず、英語試験の即日判定がどうしても必要だった。

 また、コミュニケーション言語としての、英語能力を高めるために取り入れたもう一つの特色がある。同学部の英語の授業は、企業研修などを扱う民間の会社に委託した。社会人のような、モチベーションの高い人に、教育ノウハウをもつ民間会社と連携することで、クラスのレベルに合わせて独立した授業内容を作り出すことが狙いだと梶原学部長は言う。

 「もちろん、学内にも指導者は数多くいます。しかし、外部の第三者機関を導入することに大きな意味があると思います。テストにCASECを導入したことで外部評価という信頼度が得られます。また、英語の授業を民間会社に任せ、お互いに意見を交換することで、社会で求められる英語力を、学生のうちから教育できると考えたのです」

02 学生のうちから社会と接点をもつことも可能

 「学生一人ひとりと向き合った教育を目指したい」と梶原学部長は考える。「これまで大学は、勉強したい学生もいれば、何となく入学してきた学生もいるとされ、本校でも後者の比率がどうしても高い。ですから、この学部では、個人の持てる能力を伸ばしたいと考えています。英語でいえば、これまで本学の学生が受験したTOEIC(R)の平均スコアは400点台でしたが、今後は在学中に800点以上取れる力をつけていってほしいものです。しかし、だれもが英語が得意とは限りません。もし、他の言語で能力を発揮できれば、それでも構わないのです」

 学生一人ひとりに柔軟に対応する姿勢は、教育にも反映されている。企業やNGOと連携し、インターンシップ制度を取り入れた授業もある。学生達は、在学中から自分が何をしたいのかを実社会で体験し、進むべき道を切り開いていく力を身につけていく。

 新しい時代を迎え、大学も変革の時を迎えている。今、大学は、個人の能力を伸ばし、世界で通用する人間を育てる場として求められている。国士舘大学21世紀アジア学部でも、時代を見据えた新たな教育を産学連携により、実践していく。

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