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神奈川県藤沢市の丘陵地に立つ中高一貫の女子校、聖園女学院。西に富士山、南に江ノ島を望む美しい湘南の地で、中学1年生から高校3年生までの女子が、カトリック精神に基づいた教育を受けています。英語教育にはとりわけ力を入れているという聖園女学院の教育方針について、英語科主任で国際交流室長でもある下里由香先生にお話をうかがいました。 |
聖園女学院では英語教育にとくに力を入れており、中学から高校まで各学年週6時限(50分×6コマ)を必修としている。公立中学の英語の授業が週3時限しかないことを考えると、実に2倍もの時間を英語にあてていることになる。さらに選択授業として、高校2〜3年生になると最長でプラス4時限を英語にあてることも可能だ。英語力を伸ばしたいと考える生徒にとっては、最高の環境だと言えるだろう。
中1から高1まで必修の6時限のうち、基本的には5時限を日本人教員、1時限をネイティブ・スピーカーである教員が教える。日本人教員は検定教科書を使って、文法、語法、読解、コミュニケーションなど英語の基本をみっちり教えている。「『教科書を教える』というより『教科書で教える』という姿勢で、毎回工夫をこらした授業を、教員自身が楽しみながらおこなっています。生徒になるべく多く英語に触れてもらうため、日本人教員も英語で生徒に語りかけることがあります。私の場合、生徒の英語力に応じて、その日に勉強する内容を簡単な英語で紹介します。そして生徒が理解しているかどうか顔を見ながら確認し、わかっているようなら徐々に難易度を上げ、わかっていないようならもっと簡単な言葉を使うようにします。このバランスのとり方がなかなか難しく、教員の力量が問われますね」と下里先生は言う。
ネイティブ教員の授業では、生徒が英語でのインプットとアウトプットの両方がスムーズにできるようになることを目指している。たとえば、英語の歌やミニドラマに取り組んだり、ニュースキャスターに扮して英語でニュースをプレゼンテーションしたり、指導法はバラエティに富んでいる。
「ネイティブの先生に教わる意義としては、生徒が緊張感を持って英語を話す機会を持てることが挙げられますね。日本人の先生が相手ですと、生徒はどうしても甘えて日本語に頼ってしまいますが、ネイティブの先生ですと、英語で話すしかありませんから」と下里先生。授業を通して、聖園の生徒は中1ですでに、英語を話す姿勢や度胸を身につけている。
英語の授業は、時間数が多いだけではなく少人数制になっている。通常のクラスが1クラス40人前後であるのに対し、英語の授業は1クラス15〜20人程度でおこなわれるので、きめ細かい指導が可能だ。高校になると、英語クラスは、学力や本人の希望を考慮して緩やかながらレベル別に分けられ、生徒は自分に合った授業が受けられる。
「話す」「聞く」といった口頭のコミュニケーションだけではなく、読み書きを身につけることにも力を入れている。中1から英語の原書を読みレポートを書かせるというから驚きだ。
「原書と言っても、最初は絵本や、学習者向けに簡単な英語でリライトされた本を読むんです。でもそういう本はシンプルだけれど、美しく洗練された英語で書かれていて、教員が読んでも感心することが多いです。生徒達に人気なのはラブストーリー。教科書には出てこないようなラブストーリーを英語で、しかも辞書なしでも読めた、と嬉しそうに報告してくる生徒もいます」と下里先生は微笑む。
こうして生徒達は、1学期に2〜3冊、多い人だと6冊程度の原書を読み、英語でレポートを書く。これが聖園女学院の生徒の英語力の下地となっている。
日々の英語学習に加え、生徒が伸びる大きなきっかけになるのが、希望者を対象に高校1年生で実施している2週間のカナダ研修だ。1人1家庭にホームステイし、文化交流、語学学習、ボランティア活動等、さまざまな体験をする。滞在先であるオンタリオ州ウィンザーは藤沢市と姉妹都市。両市の協力があってこその体験もできる。
「今年は、着いてすぐにイベントで日本の文化紹介をしました。剣道、書道、茶道、華道、ソーラン節などを紹介すると、カナダの人たちも日本文化に興味を持ち、生徒達に敬意を払ってくださいます。そうすると生徒達は、英語がまだおぼつかなくても、萎縮することなく現地の人たちとコミュニケーションがとれるようになるんです」と下里先生。「イベントには地元の新聞やテレビ局も取材に来てくれました。記者に英語で質問された生徒達は、知っている単語をたくさん並べて一生懸命取材に答えていました。引率教員は遠くからその様子を見守っていましたが、とても頼もしかったですね」
カナダ研修を通して生徒達は、英語力だけでなく積極性や自主性も身につける。「これは、今年の文化祭のために、生徒が作ったものですが」と下里先生が見せてくれたのは、きれいにまとめられたアンケートの結果。カナダ研修に参加した感想や(「行ってよかった」と答えた生徒は100パーセント!)これから研修に参加する後輩へのアドバイスが、わかりやすくまとまっている。「教員は『アンケートをとりなさい』なんてまったく言ってないんですよ。それなのに生徒が自ら進んでアンケートをとり、こんなふうにまとめたんです。こちらの研修報告は、まるで雑誌のページから抜け出たようにきれいでしょう?」と嬉しそうに目を細める下里先生。成長を温かく見守ってくれる先生方に囲まれて、聖園女学院の生徒たちは伸び伸びと学園生活を送っているようだ。
聖園女学院では2009年度から、CASECをカナダ研修の事前と事後に実施し、英語の伸び具合を測るのに役立てている。実は7〜8年前にも一度CASECを使うことを検討したが、その当時はまだコンピュータの普及率も精度も今ほどではなかったため、スムーズに操作できないのではないかという懸念から採用が見送られた。しかしコンピュータを取り巻く環境は数年で大きく進歩した。今では一家に1台コンピュータがあり、生徒もまったく抵抗なく操作ができる。むしろゲーム感覚で楽しみながらCASECを受ける生徒が多いようだ。
カナダ研修を経てCASECのスコアを大きく伸ばす生徒もいる。「英検5級相当のスコアから一気に3級に伸びた生徒もいました。本人にとって大きな励みになりますし、担任の先生にも分かりやすい指針になりますね」と下里先生は言う。
「英検とCASECは役割が違うと思います。英検は学習目標としての役割。それに対してCASECは、その時点での英語の能力を正しく測ってくれるテストだと感じています。出された問題を解けたかどうかで次の問題の難易度が変わるのもいいですね。たまたま問題を1つ解けたとしても次に出された同レベルの問題が解けるとは限らないので、最終的に正しい結果が出ます」と下里先生。
聖園女学院では、今後はカナダ研修の直前と直後だけでなく、研修の1年後や2年後にもCASECを利用し、生徒の実力の伸びを測定していくことを検討している。「全員がカナダ研修から帰ってすぐに英語力が伸びるわけではありません。時間をかけて成果を出して行く生徒もいる。それを考えると、長いスパンで生徒の英語力の伸びを測定していくことも大切だと思っています」と下里先生は語った。
CASEC EYE (キャセック・アイ)
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