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導入事例(企業編)

企業向け

 

サトーグループ流『超速英語推進』本人認証の壁を最新テクノロジーで打破〜オンライン英語テストの本人確認を「顔」で認証〜(サトーホールディングス株式会社)
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バーコードやQRコード(※1)、RFID(ICタグ)などの自動認識技術を駆使した商品在庫管理やトレーサビリティ、セキュリティ、販売促進などのソリューションを幅広く提供するサトーグループ。海外事業の拡大に伴い社員の意識改革と英語力向上が求められるようになり、社内の英語公用語化を進めています。その取り組みやCASECの活用状況について、英語推進室室長、ロバート・クーさんと、同係長、伊藤麗(うらら)さんにお話を伺いました。

(写真)英語推進室 室長 ロバート・クーさん
※1 QRコードは株式会社デンソーウェーブの登録商標です。


01 商品もチームもグローバル化する中、遅れる社員のグローバル化

―御社のグローバル化の現状をお聞かせください。

ロバート 「当社は、アジア、アメリカ、ヨーロッパなど世界25カ国に拠点を展開しており、5,000名余りの従業員のうち約6割が海外で働いています。以前は、日本市場向け、アメリカ市場向け、というように国ごとに当社のメイン商品であるラベルプリンタを開発・販売していましたが、数年前からグローバルに展開できる戦略商品の開発に注力し、国を横断したプロジェクトチームを組むようになりました。その背景には、日本企業の海外進出の拡大があります。国ごとの商品やチームでは、お客様が海外進出をする際、ニーズに対応できません。営業、開発、マーケティングなどが一つになって、プロジェクトごとにグローバルチームを組むようになってから、ビジネスもよりスムーズになりました」

―グローバル化が進む中で、どのような課題が出てきたのでしょうか。

伊藤 「商品もチームもグローバル化する一方で、社員のグローバル化は遅れていました。社員のグローバル化には、意識と英語力の2つの側面があります。意識については、会社の理念や仕事のやり方について、日本と海外との統一が図れているとは言えない状況でした。また、英語力にも不足があり、一部を除いては国内の社員と海外の社員との間にコミュニケーションがなく、溝ができてしまっていました」

02 英語推進室が先導し、改革を進める

―その課題に対して、どのような対策を講じられたのでしょうか。

ロバート 「グローバリゼーションに対応し、日本と海外とのコミュニケーションを促進するためには、“企業理念”と“英語”の両輪が不可欠だと考え、ここに力を注ぐことになりました。そして、サトーグループとして全社員が同じ方向性を共有できるよう、企業理念推進室を立ち上げ、会社の理念やビジョンを海外にも浸透させていきました。また、英語公用語化を進めることになり、英語推進室を立ち上げて、社員の英語力向上を図ることになりました」

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オンラインで取材に応じる伊藤麗さん(左)とロバート・クーさん(右)

―英語推進室では、どのような取り組みをされてきたのですか。

伊藤 「ニーズに合わせた英語研修やセミナーの開催、ニュースレターの配信からスタートしました。取り組みを進める中で、一部の社員だけでなく、全社員を巻き込むような仕組みが必要だと感じるようになりました。しかし、英語推進室は私たちを含めて3名しかおらず、3名だけで全国に1,900名ほどいる社員にメッセージを伝えるのは難しい状況でした。そこで、工場や支社・支店、営業所など、全国に約45カ所ある各拠点に英語推進リーダーを置くことになりました。自薦・他薦はさまざまでしたが、意欲ある社員がリーダーを務めてくれたお陰で、英語推進室からのメッセージがスムーズに伝わったと思います。前社長の松山からも『これからはどこの部署でも英語が必要になる』と英語の重要性を発信し続けていたので、トップの強いメッセージがあったことも大きかったと思います」

03 スピード感に魅力を感じ、CASECを導入

―CASECを導入された経緯について、お聞かせください。

伊藤 「社員全体の英語力を底上げしたかったので、英語力判定テストについても全員受験を考えていました。当初は別のテストの採用を検討したのですが、国内の1,900名ほどの社員全員が受験して結果を手にするには、準備も含めて約1年かかることが判明。リサーチを重ねるうちに、CASECと出会いました。オンライン受験でその場で結果が分かるため、全社員が1カ月以内で受験できるというスピード感に魅力を感じ、CASECの採用を決めました」

―2017年からCASECの新機能『顔認識機能』(※2)による本人認証の実証実験にご協力いただきましたが、いかがでしたか。

ロバート 「受験者が本当に受験しているかどうかという本人確認の認証ができることによって、よりCASECの受験結果への信頼が高まり、さらに安心して活用できるようになりました。当社では基本的に受験の結果を偽る社員がいるとは考えていませんが、今後海外赴任などの人事異動の指標としてもスコアを有効活用していこうと考えた際には、これまでのような本人認証なしの受験でよいのかという声は上がっており、その壁を打破する必要性が出始めていました。そんな中で、今回の顔認証機能のリリースの話を聞き、実証実験に参加することになりました。実施してみてその有用性を改めて認識し、今年からは正式に国内の受験全てに顔認証機能を活用することになりました」

伊藤 「顔認証を利用した場合も、受験の仕方は通常のCASEC受験とほとんど変わらないため、スムーズに実施を進められました。顔写真は受験前に受験者に自分で撮影をして登録してもらい、その後通常通り受験を開始します。受験中の画面には隅に現在撮影されている映像が出ているため、きちんと顔が映っているか、確認ができます。受験結果についても、管理者画面から受験結果とともに『顔認証一致率』の項目が出ており、もしも一致率が低い受験者がいれば、登録している写真、受験中に撮影された顔写真を全て確認することができます。また、私たちは自動認識技術を扱う会社ですので、CASECのように自社で導入しているサービスにおいて同様の機能が開発され、より付加価値の高いサービスが提供されることを業界の一員としても非常にうれしく思っています」

―現在は、CASECをどのように活用していますか。

ロバート 「CASECを2013年に採用して以来、全社員に1年に1回、英語の実力を測るために受験してもらっています。加えて任意テストも受けられるのですが、最初は全社員の2割ほどだった任意テストの受験率が、今では5割ほどにまで伸びています。社員の英語への意識の高まりが表れた結果だとうれしく思っています。また、英語の研修前後でどれだけ英語力が伸びたかを測るためにも使っています。CASECがあるから頑張ろうというモチベーションになり、目標設定もしやすくなっていると感じます」

伊藤 「さらに、CASECのスコアによるレベル分けを、社内で独自に設定しています。役職や部署によって目指してほしいレベルが明確になっているので、目安にしやすいですし、下のレベルの人には危機感を持ってもらえると思います。また、スコアレンジに合わせて、どのようなプログラムや学習ツールを使うといいかをまとめたものも作成しています」

※2 CASECの「顔認証機能」について
受験中に受験者の顔を撮影し、登録済みの顔写真との顔の一致度を自動的に割り出し、受験結果と共に取得・管理ができるオプション機能です。この機能により、受験者の本人認証を行うことによって、より信頼できる受験結果を提供いたします。

 

04 短時間で効率良くテストでき、負担が少ないのがメリット

―実際にCASECを導入されて、どのような点にメリットを感じていますか。

伊藤 「やはり、効率良く全社員の英語力をテストできる点です。英語推進室は少人数ですが、1,900名分をコントロールできますし、CASECはテスト時間が40分〜50分と短いので、受験者への負担もコストも抑えられます。英語力を測定するためだけに2時間も費やすのは、その間に仕事ができないことを考えると、かなりのコストになりますから」

ロバート 「社員から受けたいという声が上がればすぐに受けられる即時性も、メリットだと感じます」

05 目指すは、英語推進のグローバル化

―社員の方の意識の変化や英語力の伸びはいかがですか。

伊藤 「社員の中で、海外の事業所とも自ら積極的にコミュニケーションを取らないといけないというマインドセットは全体として浸透してきたと感じます。また、英語を使おうという意欲の高まりも見られます。一つ、好事例をご紹介します。都内のある拠点の営業担当が、外資系企業に営業をかけたところ、決定権はアメリカの本部にある、と言われました。そこであきらめず、本部の担当者の連絡先を教えてもらい、拙いながらも英語でコンタクトを取りました。その結果、アメリカや日本だけでなくさまざまな国や地域でサトーの商品を使っていただけるようになりました。実はこの事例には、やる前からダメと思わない、失敗を恐れない、というサトーの企業理念の要素も入っているんです。この社員のように、言葉の壁であきらめず、失敗を恐れず自らの力で切り開いていける営業担当を増やしていきたいと思います」

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ロバート 「CASECのスコアも伸びていますが、何よりもうれしいのが、会社の雰囲気が大きく変わったことです。以前は英語への抵抗感がありましたが、今では苦手でも使ってみよう、やってみよう、頑張ろう、という意識に変わってきました。管理職向けに実施した研修も、驚くほど良い雰囲気でした。期初に行うキックオフセミナーもみんな笑顔で、一緒に頑張りましょう、という感じなんです。これは素晴らしい成果だと思っています。英語についての半年の目標を1カ月でクリアした社員もいますし、皆が前向きになっています。5年前とはまったく違います。社員が自発的、前向きに英語を勉強している姿を見ると、自分の仕事に大きなやりがいを感じます」

―最後に、今後の目標をお聞かせください。

伊藤 「今後は、“英語推進のグローバル化”が一つのキーワードになると考えています。英語力に問題を抱えているのは日本だけではないと、ここ数年で改めて感じてきました。アジアや南米など、国内だけでなく海外の拠点でも、社員の意識改革や英語推進に力を入れていきたいです」

ロバート 「英語力があれば可能性が広がることを実感する社員が少しずつ増えて、ようやく、英語推進のファーストステップが踏めました。仕事で英語が使える社員をさらに増やし、他社には真似できない強力なグローバルチームを組んで、お客様にさらなる価値を提供していきたいと考えています。

CASEC EYE (キャセック・アイ)
2018 Winter vol.50

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