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1946年に米国オレゴン州で創立されたテクトロニクスは、計測およびモニタリング機器メーカとして、世界の通信・コンピュータ・半導体業界向けに計測ソリューションを提供し、現在世界の19箇所でグローバルに事業を展開しています。日本への進出は1965年で当初はソニー株式会社との合弁会社として設立され、ソニー・テクトロニクス株式会社という社名でスタートしました。その37年後の2002年には米国のテクトロニクスが100%株式を取得し、社名も日本テクトロニクス株式会社と変更するとともに社内は英語力必須の状況に急変しました。こうした劇的な変化のなか、英語教育を任された人事部長の酒井雅幸氏にお話をお伺いしました。 |
日本テクトロニクス株式会社 |
2002年に100%米国テクトロニクス社資本の企業になったとき、社内環境は急激に変化しました。それまでは、米国のテクトロニクス社の製品を日本で販売する総代理店としての業務、あるいは日本のソニー・テクトロニクスとしての製品を輸出するといった業務が中心であったため、仕事上、英語とはほとんど無縁の状況が37年間続きました。しかし2年前に一夜にして100%外資系になり、突然上司が外国人になったり、米テクトロニクスと一緒に開発する業務が発生したりと、社員の英語力が必須の状況に急変したのです。
そこで米テクトロニクスは、会社がコストを負担してでも徹底的に英語教育を行う必要があると判断しました。理由の一つは、あまりに急に体制が変化したことに対する配慮から、もう一つは、日本の社員の技術力には高い信頼を置いていたからです。つまり高い技術力を活用するために、英語教育への投資は正当化されるとの判断でした。具体的には年間で数千万円の費用を投入し、3ヵ年計画で集中的に英語教育を行うことになりました。
3ヵ年計画の開始の前に、まずは社員の英語レベルを把握するためある研修会社に依頼してアセスメントを全社員に対して実施しました。その結果、一人で海外で仕事ができると判断された社員は450人中40人程度しかいないことが判明しました。
現状把握の後は研修ですが、コストパフォーマンスを上げるために全体をレベル別に4つのグループに分けました。上から、特に会社が教育する必要のないレベルの高い社員、次に英語でのビジネススキルを養成するための社員、3つ目に会話を基礎から始めるべき社員、そしてe-learningで自主学習すべき社員の4グループです。これら4つのグループに分け、必要なグループにはそれぞれのトレーニングを開始しました。
同時に研修の効果を定期的に測定する必要も生じ、最初に行ったアセスメントを毎回実施するのはコストも時間もかかるため、初年度はTOEIC(R)を導入しました。
初年度のTOEIC(R)の実施にあたっては、全社員を集合できる会議室が無いため、10回に分けて数日かかって実施し、その都度人事部が監督を行っていましたので運用上の手間が問題となりました。そこで2年目からはCASECを導入することにより管理者の手間が急激に減りコストも安くなり大変助かっています。スコアも待つことなくすぐに管理者にも分かるので大変効率的だと思います。また受験者にとっても、フィードバックが充実していて、インターネット上で受験ができるため、試験時間も短く、なおかつ自分でスケジュールをコントロールすることができるので、本社以外の少人数の事業所でも業務に支障なく受験が可能になり、社員に案内した受験期間の10日間で350名全員が受験し終わり大変好評です。
また初年度をTOEIC(R)で測定したことにより、そのデータも生かす必要がありましたので、CASECスコアのTOEIC(R)目安の存在も決め手となりました。社員からもTOEIC(R)のスコアとほぼ同じだったという声が多く聞かれました。
最近ではめずらしい例だと思いますが、当社では本気で英語教育のために会社がコストをかけています。Off-JTの出席率やe-learningのアクセス時間数を人事部がモニタリングし、毎月各直属の上司にデータを送っています。出席率などは直属の上司に監督してもらい、研修の効果があったかどうかは人事部が調べる仕組みです。
ソニー・テクトロニクス時代は、典型的な終身雇用・年功序列型の企業でしたので、社員が会社に依存する体質が抜けず、100%外資系に変わる発表があってからも当初は自ら英語学習に取り組む社員はほとんどいませんでした。しかし逆に、直属の上司の指示にはきちんと従う長年の風潮が功を奏したのか、3ヵ年計画を開始してからの研修の出席率はほぼ100%、現在でも平均90%を保っています。
おかげで研修の効果も数字に表れてきました。2年前はTOEIC(R)の社内の平均が470点程度だったのですが、今ではCASECのTOEIC(R)目安で550点を超え度数分布グラフを見ても、全体が550点から750点付近に集まってきました。顕著に効果が数字に表れてきたことにより、最初は会社の命令で仕方なく参加していたような社員も今では自分のためにもなって良かった、と喜んでくれています。現在、直属の上司が外国人であったり、海外出張に行く必要がある社員は750点、それ以外の社員も全員が500点以上を取れるようにと、会社として目標を掲げています。社員も日々英語の必要性を感じ、目標値がそれぞれで高くなっているようです。
高得点の取得が実現したとしてもスキルが衰えないように学習を続け、業務に生かすことが必要です。3年間会社が全面的に社員をバックアップしていくなかで、社員全員が学習する習慣を身につけこの集中トレーニング期間が終了した後には、会社がコストを負担しなくても、各自が自己学習を続けるようになっていることを3ヵ年計画の最終目標としています。
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