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導入事例(企業編)

企業向け

ブラザー工業株式会社

ブラザー工業株式会社は、1934年に「日本ミシン製造」として設立されましたが、設立者の父親がミシン関連の事業を始めたのは1908年(明治41年)。そこから数えれば100年近い歴史のある企業です。同社といえば、「ミシン」というイメージがありますが、近年では、事業の中心をファクスやプリンター、デジタル複合機といった情報通信機器に移し、SOHOをターゲットとした市場をメインに展開をしています。また、売上の4分の3を海外で占める海外展開、通信カラオケや着メロなどといった新事業展開などが奏功し、この不況下で2002年度過去最高の売上高と利益を記録するなどの成功を収めている日本発のグローバルカンパニーです。今回は、平素CASECをご活用いただいております、研修ご担当の小椋様、坂本様および広報ご担当の出原様にお話をお伺いいたしました。

01 CASEC導入のきっかけをお知らせください。

 私は現在、人材育成と海外人事の両面の仕事を兼ねております。その2つの有機的な連携ということが一つのテーマとなっており、社員の語学力の向上には非常に関心を持っています。

 現在、弊社の人材育成の方向性を示すキーワードは4つあります。その4つとは、1.グローバル、2.自律型社員、3.キャリアプラン、4.IT化の4つです。CASECは「英語」という領域で、その4つをすべて満たすツールであったことが導入のきっかけとなりました。

 具体的にいいますと、1番目のグローバルと4番目のIT化はCASECそのものなので省略しますが、2番目の自律型社員というのは、自分で自分の能力開発をプラニングしていける人材という意味です。これを実践しようとすると、勉強のペースや時間帯などは人それぞれ異なってきますので、CASECのように、時間と場所にとらわれないツールはニーズと合致しているといえます。また、3番目のキャリアプランに関してですが、自分のキャリアプランを考えていく上で、自分がどの位置にいるのかは常に測定して把握する必要があります。そのツールとしてCASECのようなテスティングツールを社員に提供しようと考えました。

02 CASECをどのように活用されておりますか?

 現状CASECは人事部が社員サービスの一環として提供しています(半年間3回まで無料)。したがって、希望者はいつでも受験することができます。その根底にある考え方は、自律型社員を助け、育てるということにあり、がんばっている人が得をするサポートシステムの一部という位置づけで考えております。

 弊社ではTOEIC(R)を社内基準としており、その点数をいろいろなところで活用しておりますが、私は、CASECを「TOEIC(R)の補助」ではなく、「機能分担」という位置づけで考えています。TOEIC(R)はテストが企業内で実施できるようになったということで導入当初非常にメリットがありました。しかし、集合して実施しなければならないとか、結果が出るまでに時間がかかるなど多少手離れの悪い点があります。

 それを考えるとCASECは、個人単位での実施が可能で、受験者の負担も少なく、すぐに結果が出るなどのメリットが数多くあります。現状TOEIC(R)がすでに社内基準であるため、集合研修の時などはTOEIC(R)を実施していますが、今後はCASECが得意とするところはCASECでやっていくという役割分担を考えています。

 一つの例として考えられるのが昇進に絡んだテストの実施です。現在昇進した人には昇進後にTOEIC(R)を実施しています。本来は昇進前に実施したいのですが、昇進前だとまだスクリーニングがされていない状態なので、対象者が多く、TOEIC(R)を実施するにはコストがかかってしまいます。また実施すると受験者は半日程度時間を拘束されてしまいますので負担が多く、実施できていませんでした。しかし、CASECであれば会社にとっても受験者にとっても負担が少ないので、昇進前に実施することが可能となります。昇進前に実施することで全社的に、英語学習へのモチベーションを高めていく、という本来期待している効果を得ることが可能になると考えています。

03 英語研修はどのようなプログラムで実施されていますか

 弊社の英語研修は大きく分けて3つに分かれています。集合研修、そして、自己啓発の通信教育とe-Learningです。

 集合研修は、3つのコースに分かれています。TOEIC(R)750点を目指すコース、650点を目指すコース、550点を目指すコースでそれぞれ1回2時間、週2回を約半年間実施しています。会社がコストを負担して就業時間内に実施することもあり、集合研修の対象者は本当に業務に必要な人で、研修の8割に出席できること、また、TOEIC(R)のスコアが400〜700点である事を必須の条件としてあげています。

 TOEIC(R)スコアの幅を限定している一番大きな理由は、「研修効果」です。400点以下の人ですと研修をする以前の問題でボキャブラリーなど基礎的な能力が不足しているといえます。また逆に700点以上の人であれば、集合研修よりも自主学習で伸ばしていける領域に入っていると言えるでしょう。そういう理由から、その範囲の人に限定しているのです。その意味で、対象外の人にも機会を提供できるCASECは人事部にとってありがたいツールです。

 また、最初に述べました弊社の方向性である4つのキーワードから考えますと、将来的にはe-Learningをもっと推進したいと考えております。現在約3500名社員がおりますが、当初は1000人くらいが常に何らかのe-Learningを受講しているイメージを持っていました。しかし、やはりPCを使用することに対する抵抗感も想像以上に高かったようで、現在は100人程度におさまっているというのが現状です。

04 現状でCASECに対して期待すること、課題等があれば教えてください。

 CASECはPCで受験する試験ということで、PCに抵抗感のある人には超えるべきハードルが高いようです。1、2回受けてみれば受験しやすいということがわかるのですが、その敷居を越えるまでに躊躇されているのが現状です。受験者にとっては音声が出ないなどのトラブルがあると、腰が引けてしまいますので、そのあたりのケアをさらに充実していっていただければと思います。また、それに付随して、いきなりテストに入るのではなく、練習問題などで肩慣らしができる工夫なども課題の一つでしょう。

 ただ、弊社は事業のメインが海外であることもあり、海外に常時駐在している人間が200人おり、のべにすると年間3000人が海外出張に出ております。そうした状況の中で海外からCASECを利用する例もちらほらと出てきています。それはインターネット上で実施しているからこそ出来ることでしょう。

 また、将来的にはライティングやスピーキングの測定もコンピュータ上で実施出来るようになるとよいですね。TOEIC(R)との相関も含めて、今後商品的にどんどんブラッシュアップされていくことを期待しております。

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