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導入事例(企業編)

企業向け

“e-Testing”の利便性を活かし、内定者の英語力を測定 日本電気株式会社(NEC)

NECはコンピュータ、通信機器、電子デバイス、ソフトウェアなどの製造販売を含むインターネット・ソリューション事業を手がける会社です。NECでは昨年度から、内定者の英語のスキルを迅速に把握するためCASECの導入を実施しました。企業にとって、内定者の英語能力を把握することは入社後の人事において重要なことです。しかし、数百人の内定者を抱える大きな企業では、内定者を集めペーパーテストを実施するのに時間もコストもかかるというのは厳しい問題。そこで今回お話を伺ったのはNECのEラーニング事業部の粟冠徳幸(さっか・のりゆき)氏、CASEC導入への経緯と利便性を教えて頂きました。

日本電気株式会社(NEC)Eラーニング事業部 粟冠徳幸氏

日本電気株式会社(NEC)
Eラーニング事業部 粟冠徳幸氏

01 内定期間中に英語能力評価を済ませてしまう

 従来、NECでは内定者に対して、内定式出席者(主に事務系内定者)に対してTOEIC受験を行ってきた。しかし、毎年数百人を超える内定者全員が内定式に参加できるかというと厳しいところだったようだ。特に、事務系と技術系での内定者では状況が全く異なると粟冠氏は教えてくれた。

 「これまで、内定者の大多数を占める技術系内定者に対しては、入社後にTOEICを受験してもらっていました。しかし、本来は、内定者全員にできるだけ早いうちから自分の英語力を知ってもらい、自己啓発への動機付けを行い、入社までの期間を有効に過ごしてもらいたいと考えていました。そこで、集合させることもなく、Web上で受験でき、社内で基準としているTOEICの得点に換算可能なCASECが、うまくその問題を解決してくれました。入社後に人材育成を一から行うのではなく、入社前には、最低限の英語力やマナーを内定者には備えていて欲しいと考えています」

 内定期間中に英語能力を評価するという方法において、Eラーニング事業部ではコンピュータを活用した他のテストもいくつか候補にあがっていたようだが、粟冠氏はCASECの利点を次のように分析する。

 「他のテストに比べて、精度の高さ、また実施の手軽さが良いと思います。CAT(コンピューター適応型テスト)ということで受験者のレベルに応じてテストが変化していくシステムにも興味がありました。また、NECでは社員の英語能力の基準としてTOEICを採用しています。CASECはTOEICとの相関性(0.89)が非常に近いものとなっているところも導入の決め手です。誤差は50点前後でしょうか。どのようなテストであっても誤差はありますので、許容範囲であると思いました。」

02 人事担当者が試したことでスムーズに導入

 e-Testingシステムの魅力は、受験者が自宅や大学から実施でき、実施側の手間が、ペーパーテストと比べて非常に簡便であるという点などである。

 「TOEIC目安がわかる点や4つのセクションそれぞれで点数が出るため弱点を把握しやすい等の使い勝手のよさ、実施におけるコストパフォーマンスが良い点」と栗冠氏は採用のポイントを教えてくれたが、内定者を担当する人事部の担当者が、トライアルとして導入前に実施できたことも評判が良かったようだ。

 「人事部の担当者がトライアルできたことで、受験者からの質問にも対応しやすくなります。また、実際にe-testingを体感することで、受験者の英語のスキルをどう評価するのかも事前に把握することが可能になりました」

 時間的にも場所的にも便利なe-testingだが、不安材料がないわけでもなかった。CASECを受験した内定者約300人のうち、2人にトラブルがあったと栗冠氏は教えてくれた。

 「汎用のシェアウェアを入れた2人のパソコンで音声が上手く聞き取れないということがあったようです。最終的にはシェアウェアをアンインストールして、受験することができました。これからはもっと敷居の低いシステムで対応していくということが課題かもしれませんね。また、CAT形式ということで、問題を途中で間違えたときに、レスポンスが遅かったり、次の問題の出題傾向ががらりと変わったりしてとまどうということがあるようです」

 ひとりひとり異なるOS環境に対応するためには、いくつか乗り越えるべきハードルはあるのかもしれない。CASECだけでなくe-testing、e-learning全体の課題だろう。

03 人材育成のためのテスト“CASEC”

企業が求める英語のスキル。グローバル化が進んでいくなか、『テストで評価される英語』ではなく、求められるのは『実際に使える英語』。NECでのCASEC導入は、そういった企業姿勢の変化とのタイミングが上手く適合したのかもしれない。

 「今回CASECを導入したことで、最も大きな効果というのが、技術系内定者を含む内定者全員ができるだけ早い時期に自分の英語力の把握ができ、自己啓発への動機付けが行えたことです。当社では、グローバルに通用するビジネスリーダーの育成に注力していますが、英語力はその基本となります。日本のなかでビジネスを行うにしても、技術は海外から導入したり、海外の文献や資料を読みこなすことが必要です。今後人材の流動も活発になっていけば、どこに行っても当然のようにコミュニケーションをとることが不可欠です。当社では、個人毎の英語力測定ツールとしてTOEICを活用しており、社員全員がTOEIC受験を義務付けられています。また、人事制度上もそれぞれのポジションや役割ごとに、どれくらいの英語のスキルが必要かが明示される仕組みになっているため、社員が自主的にNECユニバーシティやEラーニング事業部が提供する教育や自主研修の形で、各種英語研修を受講できる環境が提供されています。」

 粟冠氏はCASECを学習への動機付けのツールとして考えている。

 「義務ではなく、学ぶ人の意志がないと英語のスキルは上がるものではありません。ペーパーテストだと、どうしても点数に追われがちになってしまいます。今後は、英語研修とCASECを組み合わせたものも考えていきたいと思います。日本ではテストというと学んだことをどれだけ覚えているかと捉えられがちですが、本来の意味でのテストというのは、自分が目標に向かってどの位のレベルにいるのかを確認するものだと思います。スキルアップへの自覚、そしてステップアップへの手段には、その場で結果が出て、弱点も細かく分かるというCASECは非常に適していると感じています」

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